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キャンプ初日は、2チームに分けて4面を使い普段アカデミー生が行っている30分ほどのウォーミングアップ(谷澤プロがナショナルチームで行っている一部をアカデミー用に取り入れたプログラム)でストレッチから下半身のバランスに加え、柔軟性と股関節周りの稼動域を広げる事を目的とした内容となっています。初めての動きで戸惑うジュニアも多く見られましたが、毎日行っているアカデミー生が中心となりサポートしていました。これだけで、すでに筋肉痛になってしまったジュニアも多かった様子です。 その後、各レベルに分かれて7面コートでの練習が始まりました。最初の課題は、「ボールコントロール」です。ネット付近やベースラインからラケット2本分のところに的(ボール)を置き、ペアーでラリーをしながらだれが一番はじめに的に当てるか!簡単なゲームをしたところ、なんと一番に当てたジュニアは最年少参加の奈波ちゃん(小3)で、みんな愕然としていました。ラリー練習後、「膝を曲げること」をテーマにし、各コートのコーチが意識的に低い球出しを行うことでより低い姿勢から打つということを心がけさせました。普段膝を意識していないジュニアが多く、みんなヘロヘロになりながらも必死に膝を曲げてボールを打っていました。 ここまではウォーミングアップ。これからが今日のメインテーマである「アプローチショット」のテクニック練習に入ります。石井プロがデモストレーションを見せながら、右足を外側に出し、ためを作っておいてから左足を前に踏み込んで打つというフットワークを基本にして行いました。最大の目的は、体のひねり戻しをスムーズに行うことができるということと、コースを広角に狙うことができるということです。まずはその場で確認しながらタイミングをつかみ、次に少し動きを入れながら練習をしました。そういう足の使い方を意識していないためみんな始めはぎこちない動きでしたが、時間が経つにつれ徐々に慣れ、スムーズな足の使い方になり、球にも勢いが出てきたように思いました。基本的な動きを覚えた所で今日はじめに行ったラリーコントロールからアプローチを取り入れた実戦をより意識した練習です。やはりみんなに多かったミスは、 難しい球なのに思い切り攻めてしまい、逆に攻めなければならないボールを中途半端なボールで返してしまうという判断ミスが多かったので、これはこの合宿を通して指摘していかなければならないポイントだと思いました。また、練習の最後ともなると集中力が切れてしまうジュニアが目立ちはじめたところで、石井プロから全員集合の合図。「試合の中で常に自分の思うように行く事は絶対にありえないし、疲れが溜まり何か自分の思うようにいかなかったときこそ自己コントロールする意識を練習中から鍛えるように」とアドバイスがありました。第一線で活躍されていた石井プロの言葉は非常に納得できるもので、胸に響くものがありました。 練習の後半には甲府国際オープンに参加している守屋プロ(インターハイ三冠、全日本ジュニアチャンピオン)と谷澤プロに駆けつけて頂き激励の言葉をもらいました。守屋プロは、「コーチや親に対して感謝の気持ちを忘れないで今後もがんばってほしい」という18歳とは思えない言葉をみんなに送っていたのが印象的でした。ジュニア達も年齢が近い事もあり憧れの眼差しで見ていて、何人かは気づいたらちゃっかりサインをもらっていました。そんなこともありながら、オンコートでの練習終了後、コート3面ラインタッチ×5本走や体幹のトレーニングを行いかなりつらそうにしていましたが、キャンプ初日ということもあり、まだ体力には余裕があり元気に取り組んでいました。 練習後は、宿舎に移動夕食。みんなお腹が空いていたようで三杯四杯ご飯をおかわりする子が続出で、多めに炊いて頂いたはずのご飯は完食してしまい、「えー!!もうなくなったのー!!」という子もいたくらいでした。夕食後はミーティングを行い、内容は石井プロからは、自分の目標しっかり持ってそれを達成するためにコツコツと地味な努力を重ね自分自身を裏切らないようにすること。谷澤プロからは世界選手と日本の選手の体格の違いからテクニックの重要性とテニスをするにあたって「覚悟」を決めて行わなければ何か困難があったとき乗り越えることはできない。という心構えについてお二人の体験談から話して頂きました。プロ選手から直に体験談を聞ける機会というのはそんなにないようで、一人一人の表情から「明日は今日よりもっともっとがんばるぞ!」という意気込みが感じられました。ミーティングの詳しい内容については、谷澤プロのブログ(tennis-navi.jp)にもアップされているので詳しくはそちらをご覧ください。
最初は風の影響もあったのかラリーがうまく続かず、距離が近いのに大きいスイングをしたり、ボールに自分の意思を持たずに打ったり、足が止まっていたりしてミスをしていました。 その時の谷澤プロのアドバイスは ・ボールをコントロールする事 ・的までの距離にあったスイングをする事 ・常に頭の中に的を作る事 ・常に足を動かす事 ・ネットの低い所を通してテンポ良くラリーをする事 の5つで、その事を意識しながらプレイしているラリーは、初めて間もない子も年齢が低い子もラリーが続いていました。これは常に意識して練習に取り組んでほしいと思います。 「普段のラリーでネットの低い所を通す感覚を身に付けておけば、試合で“ビビッタ”時に少し上を狙えば良い。」と数多くのトップジュニアを指導している谷澤プロのアドバイスは説得力がありました。その後、石井プロの指示のもと、昨日の復習としてアプローチショットを行い、ボレーの基本練習に移りました。面を固定にしてその場でボレーし、だんだん動きを加えていきました。 石井プロのボレーのアドバイス ・ 振らない事(やや上から下へ) ・ 軸足をきめてから踏み込む事 ・ 前につめてボールを落とさずに打つ事 の3つを意識しながらボレーを行いました。この時にボールを落として打つ事が多く、 「ボールが浮いている間にどれだけ詰められるかがとても大事だ」と生徒も感じたと思います。 その後、昼食を兼ね甲府国際オープンを観戦しに行き、レベルの高いプロの試合を観戦したり、守屋プロと谷澤プロの練習を見学したことで、ジュニア達は目を輝かせて見ていました。このようなリアルな経験は刺激になりさらに練習に気合が入ります。 午後の練習は回転系のセカンドサーブから始まり、スライスはラケット(手首)を縦に使ってボールの横を打つ事、スピンは下から上に振り上げて弾道を高くする事を意識してとにかく振り切って回転を多くかけて収めることでダブルフォルトが減少します。その後、2対2のボレーボレー、ボレーストロークを行い、すぐに構える事、カバーする事、足を止めない事を意識して、アップテンポの球出しで生徒もコーチも燃えていました。普段あまりダブルスの練習を行わないからか、うまくカバーが出来なかったり、すぐに返ってくるボールに反応できなかったりしていましたが、「壁とボレーしているイメージでプレイしてすぐに構えて、相手の足元やいない所を狙い、浮いてきたら詰めて決めるんだ」という石井プロのアドバイスのおかげで、打った後の次のポジションやカバーの仕方など、ダブルスの動きが身につきました。そしてなによりも、今までやってきた練習を動きの中で出来た事で、コントロールや早く構える事の大事さがわかったと思います。 この日の最後の練習は、ダブルスのポイント。これまでの練習の成果が出たのか、良いプレーを連発でした。そしてそれ以上に盛り上がったのがトレーニングのリレー!生徒を2グループに分け、4面を一周のリレーを行い、小学3年生から高校3年までの混合チームによるリレーは、抜きつ抜かれつつの好レースになりました。途中で渡辺将貴(小4)の靴が脱げるハプニングもありましたが、どっちが勝つかわからない白熱した勝負を3回行い苦しいけど面白い笑顔が耐えない時間で終わり最高に楽しい一日になったと思います。 その後宿舎へ。夕食後のミーティングは、グループディスカッション。 男子、女子、アカデミーにチームをわけ、男子と女子は、甲府国際オープンを見て感じたことをテーマとし、そのテーマに必要な事を3つあげて発表するという課題で、アカデミーは全日本Jrで優勝したときのチャンピオンスピーチを発表するという事を行いました。 男子と女子の2グループは自分の意見を主張できる子ばかりではなかったので、意見を言えずに話がまとまらなかったり、沈黙が続いたりしていました。ようやく意見が出たとしても、その意見に対しての反対意見や自分の意見を言えずにいたりして、なかなか進まなかったグループもありましたが、最年長の子が指揮をとってグループをまとめていき、活発に意見を言い合えるようになりました。 色々な意見が出てテーマが決まらずにいたり、話が盛り上がりすぎたり、制限時間は10分だったのに30分かかるというトラブル?もありつつ発表までいきました。 発表の順番は男子、女子、アカデミーの順で行われ、最初はメモをみながら話していたので声も小さく聞こえにくかったのですが、一つ一つの発表の間に谷澤プロからのアドバイスを頂き、自信をもって前を見て、声を大きくして話すことができるようになったり、順を追っていくうちに話の内容、話し方の上達が感じられました。話の内容も段々と整理して話せるようになり、最後のアカデミーの発表はとてもすばらしいチャンピオンスピーチでした。「テニスは自分を表現するスポーツ。だからこのような場でトレーニングすることが大事。自信がないことに自信を持てれば、自信のあるテニスはもっと自信が持ててくる。最後は自分達で主張することができてきたのでとても良かった。」という谷澤プロの言葉を頂き、「自分の意見を恥ずかしがって言っていたら、聞いている方が恥ずかしくなってしまう。自分の意見を言うときは恥ずかしがらずに堂々と!!そうすれば積極的になれるし、自信がつく。それはテニスに活きてくる。」と石井プロの言葉を頂きました。 日本一になっている2人のプロの言葉はとても重みがあり、堂々としていて、発表後の生徒達も自分を表現する大切さ、自分を持つということの大切さを理解し、少し自分に自信が持て始めたようにも思えました。
ラリーの前には、昨日のディスカッションミーティングで出たテーマを実行するよう指導を受けてから開始しました。足を止めずにステップを踏み続ける子、最後まで必死にボールを追う子など、それぞれの目標に向かって確実に実行していたと思います。ラリーのあとは、クラスに分れて弱点を強化するメニューを行いました。初級のクラスは徹底的にフォアストロークの強化です。石井プロの指導の下、リラックスして打つことや、ポジションに素早く移動する大切さを徹して練習していきました。ちなみに合計700球以上打ち、普段の数倍の量を一気に練習したと思います。集中して練習した成果もあって、最終的にはスムーズなスイングができるほどになっていました。 ラリーのできるクラスは「100連続ラリー」です。強風の中、ボールをコントロールするのは難しく、96回で残念ながら途切れしまった生徒もいました。とても惜しいところまでは行くのですが、あと一歩のところで気が緩んでしまいミスを連発していたように思います。「こういう悪天候な日は精神力が落ちやすいもの」と谷澤プロのアドバイスがあり、子どもたちは一生懸命大きな声で数えながらショットして自分をプッシュしていました。 全員が目標を達成することができました。こういった小さな積み重ねが自信となり選手を成長させていくのだと思います。 最後は合宿の集大成としてアップダウン方式でポイントマッチです。風の中なのでチェンジコートを挟みながら、合計10点で進めていきました。風を考慮して打っている子は自然と勝ち残り、考慮できずショット一辺倒の子は負けていきます。厳しい環境の中、切磋琢磨しながらポイントを築きあげていく良い経験になったと思います。 今回のキャンプは小中学生を中心に年齢の低い参加者が多く、これから本格的に選手になっていく子が多かった印象を受けました。キャンプ後のレッスンでは、一球目から姿勢を低くして細かくステップを踏む姿を目にして、キャンプの成果を感じ、目頭が熱くなってしまいました。この合宿への参加をきっかけにして、より高いレベルを目指してステップアップしてほしいものです。 最後に、強風という悪天候の中、子供達の姿を取材して下さったテニスジャーナルの松尾様・国島様、テニスマガジンの秋山様・井出様に感謝申し上げます。機会があれば是非またよろしくお願いします。又、大会の期間中にもかかわらず練習に参加して下さった守屋プロも本当にありがとうございました。今後の活躍に期待しております。 なお、キャンプの様子がテニスジャーナル、テニスマガジンに掲載される予定ですので、ご覧いただければと思います。 次回のキャンプは夏を予定しており、みんながさらに上達出来るキャンプになるようスタッフ一同頑張りますので、奮って御参加下さい。
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