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「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
2006.06.19
休日、同期でもある元トップジュニアテニスプレーヤーの原広子(以後:原)宅へ招待された。ちゃんと会って話すのなんて18年ぶりとなる。子供同士が同じPreschoolに通っていた事が偶然の再会となったのだが、ニュージーランド人の旦那さん・Kerry Friend氏と結婚し、子供がすでに3人もいるというからぶったまげた。・・と言っても20年ほど経っているわけだから、大いにありうる話なのだが、一番新しい記憶が16歳の頃までさかのぼってしまうため、どんな女性になっているのか、どんな母ちゃんになっているのかと楽しみでしょうがなかった僕はシャンパンとチーズケーキを持って出かけた。

「いらっしゃ〜い!」と恵比寿にある立派な一軒家から次女・Senaを抱えた原、長女・Sueと長男・Jayが出迎えてくれ、産後で多少ふっくらはしていたがそれ以外は(呆れるほど?)何も変わっておらず、20年前にタイムスリップした気分になった。子供同士が庭で遊び跳ねている間、待っていても何も出ないから(笑)自分でシャンパンをあけながら僕達は思い出話に花を咲かせ、その話のアホさ加減に嫁さん・映子はゲラゲラ笑い転げ、僕も腹筋がつりそうになっていた。こんなに笑ったのはいつぶりだろう・・。「○○選手整形疑惑」とか「○○選手不倫疑惑」など一見ただの噂好きおばちゃんみたいなことをしながら原は食事の準備をしに台所へ。僕達もゾロゾロとついていきマジマジとながめ、アスパラをゆでずにそのままフライパンに入れた(投げた?)原に「え?!アスパラゆでないの?」と聞いたり、「ねぇ、今投げなかった?」と聞いてみたり、手土産のチーズケーキはコンロの真横に置いてあり、「ねぇ、これ溶けるんですけど。」と文句を言ってみたり・・。彼女の豪快なところは全く変わっていない。原がキレる3秒前に僕達は席についた。

旦那さんのKerryが帰宅し、彼の知的で人の良さそうな雰囲気をみて「私の人生唯一正しい選択は彼と結婚したこと。」と言った原にうんうんと大きくうなずきながらワインも食も話もはずみ、気付くとパタパタと子供達は寝ていった。途中で席をはずした原はパジャマ姿で戻り、僕はちょっとびっくりして大笑いした。一応20年ぶりの再会で、一応Dinnerなのに、ガキんちょの「お泊り会」みたいなところがやったら原らしくて、まったく緊張感がない、気取らないその感覚が懐かしかったんだ。

昔から大雑把で豪快で、爆弾発言も多く、さっぱりしていてひょうきん者だったが、誰よりも気が強く、頑張り屋さんで、今思えばあの頃から賢かった。相手を思いやったり、相手の立場になったりと、僕が考える「人間として大切な部分」はコアにあり、子供のちょっとしたハプニングも見ていないようで、見逃さず叱るところは叱り、そんなしっかり者の彼女と会えて本当に嬉しかった。変化を受け入れていかなくてはいけない寂しさが誰にでもあるなかで、変わらないでいられる強さと間柄を目前にホッとしたのか、この夜はよく眠れた。
7月にみんなで河口湖へ遊びに行く約束もしたんだ。

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